精神医療センター
精神医療センター
 近年の精神科医療では、患者様の症状を軽減・消失させるいわゆる「治療」だけではなく、病状のため低下した生活上の能力を改善し、
就労など患者様の「やりたいこと」を実現していくといった「リカバリー(回復)」を目指したアプローチが望ましいといわれるように
なってきています。そのためには患者様を中心として、医師だけではなく、病院内の多職種と地域の支援者、ご家族が密に連携をとって、
リカバリーを目指すことが必要となります。
 当院ではそのようなニーズを踏まえ、多職種間の連携をより強化するために、2022年度から、別部門であった外来、訪問看護、デイケ
ア、作業療法、相談部門を「精神医療センター」という一つの組織にまとめて活動をしていくこととなりました。そうすることで、今後
は病院の組織内はもちろん、外部機関とも十分に連携し、情報共有を密に行いより質の良いサービスを提供できるようになると考えてい
ます。
精神科外来
 精神科外来では、患者様が地域で安心して生活できるよう通院治療を支え、多職種(医師・看護師・精神保健福祉士・作業療法士)に
よる情報共有やカンファレンスを通じて日常生活を営めるように援助していきます。
精神科訪問看護
 精神疾患や心のケアを必要とされる方に、看護師・精神保健福祉士・作業療法士がご自宅へ訪問し、病状による不安や悩み、日常生活
を送るためのアドバイス、薬に関する説明などの支援を受けることのできるサービスです。
デイケア
 「デイケア」とは、精神疾患の治療のために精神科病院やクリニックに通院中の方を対象とした通所型のリハビリテーションです。
 精神疾患の病み上がりや、症状が大なり小なり残った状態で安定した日常生活を送り社会復帰を目指すには、精神科リハビリテーション
が役に立ちます。当センターの施設に通いながら、生活の安定や就労の相談など、より豊かな社会生活を目指す皆さんをサポートします。
 「治療で症状は落ち着いたけど、生活のリズムがなかなか整わない」「家でばかり過ごしていると退屈で気分が塞がる」「家族と過ごす
時間が長すぎて喧嘩になる」「話し相手や共に回復する仲間が欲しい」「将来働きたいけど、今は自信が無い」など、様々なお悩みに役立
つ場所を提供しています。
精神科作業療法
 精神科作業療法(Occupational Therapy:OT)とは、社会復帰を目的とした精神科リハビリテーションのひとつで、作業活動やレクリ
エーション活動、グループ活動や個別支援を通して、その人らしくよりよい生活が送れるように治療・指導・援助を行うものです。
 作業療法士は、対象者の生活の中で「してみたい」「出来るようになりたい」「しなくてはならない」ことを実現するためにはどうすれ
ば良いかを共に考え、達成するためのお手伝いをします。
具体的には…
 
  • 「朝、なかなか起きられない」
規則的に活動に参加して生活リズムを整えましょう
 
  • 「落ち着かない、イライラする」
気分転換やストレス発散できる活動を一緒に見つけましょう
 
  • 「すぐ疲れる、運動不足だ」 
スポーツや体力作りの活動に参加して体力をつけましょう
 
  • 「何をやっても長続きしない、周囲が気になる」
興味の持てる活動に取り組んで、集中力や持続力をつけましょう
 
  • 「自分の病気のことがよくわからない」
病気の知識や、症状との付き合い方を一緒に勉強しましょう
 
  • 「話すことや人付き合いが苦手」
気持ちの伝え方や、他者との関わり方を一緒に練習しましょう

このように、対象者一人一人の不安や希望に寄り添い、よりよい生活を送ることができるように支援します

相談部門
 精神神経科に入院・通院中のご本人やご家族の生活上の困りごとや社会参加に向けての相談支援に関することについて精神保健福祉士
(精神科ソーシャルワーカー、MHSW:Mental Health Social Workerとも呼ばれます)がお受けしております。
例えばこんなとき…
 
  • 医療費の支払いについて、高額になりそうで心配です。
 
  • 障害年金や生活保護を受けることはできるのでしょうか。
 
  • 介護保険サービスを受ける方法を知りたい。
 
  • 障害福祉サービスを受けて住む場所や働ける場所はあるのですか。
 
  • 一人暮らしですが料理や掃除、お金の管理が苦手です。どうしたら良いでしょう。

 

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